ろう付けとは?(月曜定期便92)

1.ろう付けとは

母材の溶融温度より低い融点をもつ金属や合金を用いて接合する方法です。

ジュエリー用のろうは、メーカーにより色や成分が異なります。
教室で販売している銀ろうは、コモキンさんのろうを使っています。

国産メーカーもいくつかありますが、ジュエリー用として販売しているコモキンさんや石福さんをはじめ、貴金属素材を扱っている会社のろうがお勧めです。
銀ろうの融点や適用温度は製品ごとに異なるので、購入の際はメーカーの技術資料も確認しましょう。

2.ろう材の種類と選び方(一般的なロウの種類)

*銀ろう・・・早、7分、5分、3分、2分

       低温 ⇒ ⇒ ⇒ 高温

*金ろう ・・・8K 9K 10K 12K 14K 16K 18K 20K 
       低温  ⇒  ⇒  ⇒  高温
       それぞれの温度差・色の違いにも注意が必要

*プラチナ用ろう・・・P L-3 L-2 L-1
       高温での作業が必要なため、使用するろう材や作業条件に適したバーナーを選びます 

「ろう」ってなに?(月曜定期便81) https://www.craftroom.jp/2026/08/03/mon81/

3.ろう付けに必要な道具と安全対策

ジュエリーのろう付けといえば、炎ろう付。
バーナーの炎で加熱して、ろうを溶かし接合します。

◆必要な工具
  ガスバーナー
  耐火レンガ・耐火ボードなどの作業台
  耐熱ピンセット
  フラックス
  ろう材
  水・酸洗いに必要な器具と薬品

ガスバーナーの基本的な仕組み(月曜定期便15) https://www.craftroom.jp/2025/04/14/mon15/

◆作業上の注意

安全のため、換気・局所排気を基本にして、必要な保護具は薬品や材料の安全資料に従う。
フラックスやろうが熱せられることでガスや蒸気が発生する場合があります。
高温の地金を落としたり、熱い希硫酸がはねたりする危険もありますので、
不燃性エプロンなどで身体を保護しましょう。

※プラチナを溶かすときは酸素バーナーを使用します。
 高温で目が焼ける⇒直射日光を見る感じなので、必ず防護メガネで目を保護しましょう。

4.フラックスの役割

関連記事に詳細を書きましたので省略しますが、

*加熱による金属表面の酸化膜がろうの流れを悪くします。
 主な役割は、酸化物の除去・抑制と、接合面のぬれを妨げない状態にすること。
 ろうの流れには加熱や隙間なども関係するので、ろう付け前にいい状態にすることが前提です。
 ロウ付け不良はフラックスだけが原因ではありません。

 「ほう砂」ってなに?(月曜定期便82) https://www.craftroom.jp/2026/08/10/mon82/

5.基本的なろう付け作業

シルバー、およびK18のリングへのろう付け

① 接合面の汚れや油分を取り除き、ぴったり合うように整える。

② 接合部に適した量のフラックスとろう材を使う。

③ 火を当てますが、フラックスが十分に乾いていない状態で加熱すると、急激な沸騰などによって、ろう材が所定の位置から動くことがあります。先に一旦乾かしたり、接合部だけを急激に加熱しないように気を付けます。
火はろう付け部分から遠い所から当て、全体を熱してからろう付け箇所を温めます。

④ ろうが流れたら、(「ろうがまわる」とも言う)逆側からも熱して裏までろうが流れていることを確認します。

※必ず換気。そして耐熱ボードや耐火レンガでスペースを用意しておきましょう。

6.ろう付けの成功ポイント

ろう材の選択: 母材に適したろう材を選び、複数箇所を接合する場合は、融点の違いを考慮します。
接合面の状態: 汚れを取り除き、適切にろう付けする面を整えます。ろうの流れには、フラックスだけでなく、加熱条件や隙間の状態も関係します。
加熱の仕方: 材料全体を適切に加熱し、火を当てる方向や作品の向きを調整して、ろうを接合部へ誘導します。
加熱しすぎに注意: 過熱などによって、地金に孔や荒れが生じることがあります。
色合わせ: 仕上がりを考えて、母材に合う色調のろう材を選びます。

7.複数箇所を接合するときの工夫

複数箇所をろう付けする場合は、基本的に融点の高いろう材から使います。先に接合した部分が再び溶けないよう、ろう付け位置や作業の順番を考えましょう。

ろう材は接合部の面の隙間に応じた量を置き、流れやすいようにろう付け面は均等に整えます。ろうを置く位置も、あとで削りやすい場所を選ぶと仕上げが楽になります。

ろうが流れない場合は、隙間が開いていないか、加熱の方向が適切かを確認します。接合面積が広い場合などは、ろうをあらかじめ一部溶かしておく方法もあります。

※仮付けなど、目的によっては低温のろう材を使う場合もあります。

8.ろう付け後の処理

ろう付け後は、フラックスや酸化物を除去します。使用する薬品の説明に従って処理しましょう。
酸洗い後は十分に水洗いし、薬品が残らないようにします。

フラックスの除去
ろう付け後のフラックスは、除去しておかないと残留物が腐食などの原因になることがあります。
除去方法は、「熱湯での煮沸」や「希硫酸での酸洗い→水洗い」です。

「希硫酸」の代わりに、ピックリングコンパウンドを使うのもOKです。

「希硫酸」ってなに?(月曜定期便83) https://www.craftroom.jp/2026/08/17/mon83/

「重曹」ってなに?(月曜定期便84) https://www.craftroom.jp/2026/08/24/mon84/

ろう付けは、材料や形状、作業条件によって加熱の仕方が変わります。
文章だけでは伝えきれない部分もありますが、実際の作業を思い出しながら、ひとつずつ確認してみてください。
もちろん、教室での質問も大歓迎です。^^

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