暮らしの中の水晶と仲間たち(月曜定期便10)

定期便も10回を迎えました。
なにか楽しい内容はないかなと考えていたのですが、ジュエリーと私たちの生活の中の素材について考えて、今回は「水晶とその仲間」についてまとめています。

1️⃣ 水晶ってどんなもの?
実はガラスやオパールも「水晶の仲間」!?

珪酸塩(けいさんえん、silicate)は、珪素(Si)と酸素(O)を含む化合物で、他の金属元素(ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムなど)と結びついたものを指します。
地球の地殻の大部分を占める鉱物の一種で、石英(SiO₂)や長石、雲母、カンラン石などが代表的な珪酸塩鉱物です。
◆珪酸塩の基本構造
珪酸塩は、[SiO₄]⁴⁻(珪酸四面体)という基本単位を持っており、この四面体がいろいろな形で結合することで、さまざまな鉱物が形成されます。
身近な珪酸塩の例
ガラス:主成分は二酸化ケイ素(SiO₂)。ソーダ石灰ガラスやホウケイ酸ガラスなどがある。
陶磁器・セメント:粘土鉱物や長石などの珪酸塩を含む。
鉱物・宝石:オパール、アメジスト(石英)、ラブラドライト(長石)などが珪酸塩鉱物に分類される。
ジュエリー作りにも関係が深く、特に天然石の多くが珪酸塩鉱物です。

2️⃣ ジュエリーに使われる結晶質・非結晶の宝石
以下の宝石は、ケイ酸塩鉱物です。
💎 結晶質(硬くてキレイ)
水晶(クォーツ) → アメジスト、シトリン、ローズクォーツなど
長石(フェルドスパー) → ムーンストーン、ラブラドライト、アマゾナイトなど
他にもペリドットやトルマリンなど多数

💧 非結晶(柔らかめ) → オパール、ガラス
オパール → 宝石質のオパール(遊色効果があるもの・ないもの)
天然ガラス→オブシディアン、モルダバイトなど

3️⃣ 生活の中にある珪酸塩鉱物
🏠 ガラス(人工的に作った二酸化ケイ素) → 窓ガラス、鏡など
🖌 陶磁器・食器(長石や粘土鉱物を焼いたもの)お皿・カップ・タイル
🏗 セメント・コンクリート(建築)(ケイ酸塩を含む)

水晶もガラスも、もとは同じ珪酸。
でも、でき方や結びつき方が違うだけで、姿が全然違います。

4️⃣ 硬さと構造の違い
水晶(結晶)とオパール(非結晶)で硬さが違う理由
「結晶」と「非結晶」って何が違うの?

🔷 結晶(クリスタル) → 原子がきちんと整列!
特徴:原子が規則正しく並んでいる
見た目:角ばった形ができやすい(鉱物の結晶の形)
性質:強くて安定しているが、割れると決まった方向にスパッと割れる(へき開)
水晶(クォーツ) → 柱状の結晶ができる
長石(ムーンストーン、ラブラドライト) → 規則的な層がある


💧 非結晶(アモルファス) → 原子がバラバラ
特徴:原子の並び方がランダム
見た目:決まった形にならない(固まり方が自由)
性質:割れるとバキバキ不規則に割れる(へき開なし)
オパール → 微細なシリカ球が集まってできる
ガラス → 液体を急冷して固めたものだから、原子の並びがバラバラ
黒曜石 → 溶岩が急に冷えて固まった天然のガラス


私たちが言う「硬い」「弱い」は、何かと比べて比較しています。
宝石では「モース硬度」などをよく使いますが
日常での何かにぶつけたり、こすったりする動作に対して割れたり傷つくのかを気にしなくてはいけません。
基本、ジュエリーは硬度7の石英(クオーツ)を目安に考えます。
それは生活の中に石英程度の硬さの塵が多いという理由があります。それより硬度が低い場合は身に着ける方に宝石を守るため日常使いの注意を促すことも大切です。
作り手さんは、石留めに対する耐性だけでなく、ジュエリーのアフターにも配慮して作品を作りましょう。

こちらもどうぞ。

コメント

この記事へのコメントはありません。

受講・体験・見学のご予約

①下記のカレンダーからのご連絡(即時予約となります。リクルートIDの連携で、入力が省けます。)

ウィジェットが見づらい場合→こちらをブックマークしてご利用ください。

②SNSからのご連絡(24時間受信は可能です。23時以降は翌朝お返事致します。)

③メールでのご連絡(確認に少しお時間がかかります。)

④お電話でのご連絡(休講日や講座中出られない場合もございます。)