この二つの違いってなんでしょう。
いちばん大きな違いは「何を軸にものづくりをしているか」という所だと思います。
職人とは
「高い精度で、安定した仕事ができる」のが職人。
- 素材や道具、技法を深く追求する
- 同じ品質のものを安定して作れる
- 長年の経験によって、手や目で判断できる
- 「どう作るか」「どう仕上げるか」に強い
- 伝統技法や専門技術を継承する役割もある
「この厚みならこの火加減」「このロウならこの温度」「この面はこのヤスリで」みたいな、身体に染み込んだ技術を伝えることができます。
クラフト作家とは
「表現」や「作品」を軸にものを作る人。
- 自分の世界観やテーマを持っている
- 素材や技法を組み合わせて表現する
- 一点ものや少量制作も多い
- 「何を表現したいか」「どんな作品にしたいか」が出発点
- 作り手自身の個性や思想も作品の価値になる
極端に言えば、
職人は「技術から作品へ」
クラフト作家は「表現から技術へ」
もちろん、これは職人と作家をきっぱり二つに分ける定義ではなく
ものづくりの「出発点」の違いとして考えると分かりやすいと思っています。
優れた職人は作家性を持つし、
優れたクラフト作家は職人的な技術を持っていることでしょう。
だから境界線はかなり曖昧な部分も多いし
ちょっと極端な言い方をすれば、
職人は「技術に名前がつき」、作家は「作品に名前がつく」という考え方もできる。
「同じものを高い精度で作れる」のが職人。
例えばシンプルな甲丸リング、印台リング、複雑な千本透かしや石留め・彫留め。
「この人だから、この作品になる」ことに価値を置くのが作家。
クラフトルームHAKATAは、講師が「職人側」だから
- 素材の扱い方
- 道具の使い方
- 加工の正確さ
- 強度や仕上げ
- 「なぜこうするのか」という技術的な判断
を教えることができます。
一方、教室では、受講生さんが「作家側」の視点を持つことを大切にしています。
- 何を作りたいか
- どんな世界観にするか
- 素材をどう組み合わせるか
- 自分らしいデザインにするか
を自ら考えることを推奨しています
講師=「どう作るか」を教える
受講生=「何を作るか」を考える
という関係です。
職人の技術を、そのまま職人になるためだけに教えるのではなく、
作家が自分の表現を実現するための技術として学ぶ。
だから、教室では「先生と同じものを作れるようになる」ことを目標とする必要はありません。
受講生さんが「こんなものを作りたい」と考えたときに、
それを実現するための技術を一緒に考える。
そうすると、職人の技術が作家の表現を広げる道具になる。
職人と作家が混ざり合う場所っていうのが、教室の魅力だと思っています。