宝石学というと、専門的で難しい学問というイメージを持たれる方も多いかもしれません。
屈折率、複屈折、比重、分光分析――。
確かに宝石学にはさまざまな知識がありますが、その土台となる考え方のひとつが「結晶系」です。
結晶系とは、鉱物の中で原子がどのように並んでいるかを分類したもの。
実はこの原子の並び方が、宝石の形や硬さ、割れやすさ、光の見え方などに大きく関わっています。
ジュエリー作家にとって結晶系は、試験のために暗記する知識ではありません。
石留めをするとき。
宝石を選ぶとき。
デザインを考えるとき。
宝石の特徴を理解するためのヒントになります。
今回は、宝石学の入口として「結晶」について見ていきましょう。
宝石の多くは結晶でできている
ジュエリーに使われる宝石の多くは鉱物です。
そして鉱物の内部は原子が結びついたり、並んでできています。
この並び方は、宝石の硬さや割れやすさ、光の見え方にも影響します。
ジュエリー作家にとっては、石留めやデザインを考える際のヒントにもなる部分です。
原子が規則正しく結ばれて並んでいるものを結晶質。
原子は結びついているものの、不規則的に並んでいるものを非晶質といいます。
代表的な例でいうと、
ダイヤモンド、サファイア、ルビーなどは結晶質。
オパールや天然ガラスは非晶質です。
これらは無機物の宝石です。
一方、有機物由来の宝石には、真珠、サンゴ、琥珀、象牙などがあります。
それぞれの構造で、宝石の性質が変わります。
原子の並び方にはルールがある
原子、分子、手を出してプラスとマイナスが結びついて…昔、理科分野で習いましたね。
なにやら決まりごとがある、この規則的な並び方を「結晶構造」と呼びます。
結晶構造を大きく分類したものが結晶系
実は鉱物の結晶は、7つに分類されます。
立方(等軸)晶系
正方晶系
六方晶系
三方晶系
斜方晶系
単斜晶系
三斜晶系
これを「結晶系」と呼びます。
宝石の結晶系の例
ダイヤモンド → 立方(等軸)晶系
ガーネット → 立方(等軸)晶系
ルビー・サファイア → 三方晶系
エメラルド → 六方晶系
トパーズ → 斜方晶系
ムーンストーン → 単斜晶系
これらは、宝石の本を買うと必ず記載されていますので、頑張って覚えなくても調べればすぐにわかります。
なぜ知る必要があるの?
結晶系は単なる分類ではありません。
劈開(割れやすい方向)や光の屈折、硬さの特徴など、宝石の性質と深く関わっています。
宝石学で学ぶ多くの内容は、結晶系を知ることで理解しやすくなります。
石留めをする時に割れやすい方向を知ることや、
研磨された宝石の形を理解することにもつながる結晶系。
一見すると難しそうな宝石学も、「なぜそうなるのだろう?」という視点で見ると、意外と身近な知識になります。
まずはお手元の宝石図鑑や宝石学の本を開いて、身近な宝石の結晶系を眺めてみてください。
次回も、宝石のお話をしようと思います。^^
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