読む宝石学『ジュエリー作家が結晶系を知ると役に立つ』(月曜定期便74)

宝石学というと、専門的で難しい学問というイメージを持たれる方も多いかもしれません。

屈折率、複屈折、比重、分光分析――。

確かに宝石学にはさまざまな知識がありますが、その土台となる考え方のひとつが「結晶系」です。

結晶系とは、鉱物の中で原子がどのように並んでいるかを分類したもの。

実はこの原子の並び方が、宝石の形や硬さ、割れやすさ、光の見え方などに大きく関わっています。

ジュエリー作家にとって結晶系は、試験のために暗記する知識ではありません。

石留めをするとき。
宝石を選ぶとき。
デザインを考えるとき。

宝石の特徴を理解するためのヒントになります。

今回は、宝石学の入口として「結晶」について見ていきましょう。

宝石の多くは結晶でできている

ジュエリーに使われる宝石の多くは鉱物です。
そして鉱物の内部は原子が結びついたり、並んでできています。
この並び方は、宝石の硬さや割れやすさ、光の見え方にも影響します。

ジュエリー作家にとっては、石留めやデザインを考える際のヒントにもなる部分です。

原子が規則正しく結ばれて並んでいるものを結晶質
原子は結びついているものの、不規則的に並んでいるものを非晶質といいます。

代表的な例でいうと、
ダイヤモンド、サファイア、ルビーなどは結晶質。
オパールや天然ガラスは非晶質です。

これらは無機物の宝石です。

一方、有機物由来の宝石には、真珠、サンゴ、琥珀、象牙などがあります。

それぞれの構造で、宝石の性質が変わります。

原子の並び方にはルールがある

原子、分子、手を出してプラスとマイナスが結びついて…昔、理科分野で習いましたね。

なにやら決まりごとがある、この規則的な並び方を「結晶構造」と呼びます。

結晶構造を大きく分類したものが結晶系

実は鉱物の結晶は、7つに分類されます。

立方(等軸)晶系
正方晶系
六方晶系
三方晶系
斜方晶系
単斜晶系
三斜晶系

これを「結晶系」と呼びます。

宝石の結晶系の例

ダイヤモンド → 立方(等軸)晶系

ガーネット → 立方(等軸)晶系

ルビー・サファイア → 三方晶系

エメラルド → 六方晶系

トパーズ → 斜方晶系

ムーンストーン → 単斜晶系

これらは、宝石の本を買うと必ず記載されていますので、頑張って覚えなくても調べればすぐにわかります。

なぜ知る必要があるの?

結晶系は単なる分類ではありません。
劈開(割れやすい方向)や光の屈折、硬さの特徴など、宝石の性質と深く関わっています。
宝石学で学ぶ多くの内容は、結晶系を知ることで理解しやすくなります。

石留めをする時に割れやすい方向を知ることや、
研磨された宝石の形を理解することにもつながる結晶系。
一見すると難しそうな宝石学も、「なぜそうなるのだろう?」という視点で見ると、意外と身近な知識になります。

まずはお手元の宝石図鑑や宝石学の本を開いて、身近な宝石の結晶系を眺めてみてください。

次回も、宝石のお話をしようと思います。^^

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