さて、年始早々の話題といえばこれ。
1年が終わるとやってくる、確定申告に備えて
昨年1年間の仕事の成果を計算する、大切な締めくくりの仕事です。
作り手の「経費」って?
経費になるもの(例)
- 地金・石・パーツなどの材料費
- 工具・消耗品
- 展示会・イベント出店料
- 旅費交通費
- 梱包資材、送料
- 作品撮影のための小物
- 工房・制作スペースの家賃(←教室使用料はこれ)
- 勉強のための本・講座(←受講費はこれ)
注意点
- プライベートと兼用しているものは「按分」 ※家賃や光熱費、通信費
- 領収書(レシート可)・記録は必須
確定申告というと、
売上や経費の金額ばかりに目が向きがちですが、
**特に大切なのが「棚卸」**です。
棚卸とは「年末に残っている在庫を確認すること」
簡単に言うと、
年末時点で、まだ手元に残っている資産を確認する作業
のことです。
皆さんも色々調べたりしていると思いますが、わかりにくい部分として「棚卸」があります。
在庫は資産ですので、経費とは違うものです。
棚卸をする内容には、以下のものがあります。
*商品(仕入れ価格を集計)
*仕掛品(製作途中のもの・仕入れ価格を集計)
*材料(仕入れ価格を集計)
*貯蔵品(パッケージや販促品、切手や印紙、使っていない消耗品の価格を集計)
その中でも大切な「地金の棚卸」
地金は単価が高く、
「材料を買った=すぐ経費」と考えてしまうと、
実際の利益が分からなくなってしまいます。
対象になるのは、
- 板材・線材などの未使用地金
- 途中まで使った地金
- 切れ端や削り粉などのスクラップ
完成品になっていない地金も、
すべて棚卸の対象になります。
地金を買ったら、全部その年の経費?
ここが一番の注意点です。
たとえば、
- 今年、地金を10万円分仕入れた
- 年末に、まだ6万円分残っている
この場合、
10万円すべてを経費にすることはできません。
経費になるのは、
👉 その年に実際に使った分
残っている地金は、
これから作品になり、売上を生むための
「材料在庫(資産)」として考えます。
相場がある地金の棚卸は、どう考える?
金やプラチナ、シルバーなどの地金は、
日々相場が変動します。
そのため、
「年末時点の相場で評価し直す必要があるのでは?」
と不安になる方も多いのですが、
基本は「仕入れたときの価格」
地金の棚卸で基準になるのは、
いくらで仕入れたか
という点です。
相場が上がっていても、
持っているだけでは利益にはなりません。
実際に作品として販売したときに、
はじめて結果が数字に表れます。
使いかけ・スクラップ地金の考え方
ジュエリー制作では、
- 少しずつ減っていく線材
- 半分残っている板材
- 切り落としや削り粉
こうした地金が必ず出てきます。
棚卸では、
- 重量をざっくり量る
- 仕入れ時の単価を目安にする
といった
現実的で続けられる方法で問題ありません。
大切なのは、
毎年、同じ基準で把握することです。
地金の棚卸は「税金のため」だけではない
地金の棚卸をきちんと意識すると、
- 原価の感覚が身につく
- 材料費がかかる理由が見えてくる
- 作品価格の見直しにつながる
など、
作家活動そのものに役立つ気づきがあります。
確定申告は義務ではありますが、
同時に「制作を振り返る機会」でもあります。
まとめ|地金棚卸のポイント
- 地金は相場があっても、棚卸は仕入れ価格ベース
- 年末相場での評価替えは基本的に不要
- 使いかけ・スクラップも棚卸対象
- 「仕入れたもの全部が経費」ではない
地金をどう扱うかを知ることは、
ジュエリー作家として一歩進むことでもあります。
教室では、制作技術だけでなく、
作家として活動を続けるための考え方を座学「基礎講座」でお伝えしています。
隔週火曜日②15:00~17:00 第2日曜日①11:30~13:30
各120分 質疑応答形式でマンツーマン講座 担当:井手
受講料:ビジター¥3,520 メンバー チケット1回分
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