真珠ってどんな宝石?その4「マキ」(月曜定期便63)

真珠のお話が続きます。

■真珠の「マキ」とは何か

前回は、真珠の「テリ」についてお話ししました。
今回は、その美しさと深く関わる「マキ」についてです。

「これは“マキ”が厚い真珠です」
そんな言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

真珠の「マキ」とは、核のまわりに重なった真珠層の厚みのことを指します。

養殖真珠は、貝の中に核を入れ、そこに分泌される真珠層が少しずつ積み重なってできています。
つまり「マキ」とは、時間をかけて育まれた層の積み重ねです。


■真珠層はどうやってできるのか

真珠層は、貝が分泌する炭酸カルシウムとコンキオリン(タンパク質)が、
薄い膜のように何層も重なってできています。

この層は、必ず一定のリズムで分泌されるわけではなく、

・水温
・餌の状態
・貝の健康状態
・育成期間

といった環境の影響を強く受けます。


■マキが厚い=テリが良い、ではない理由

マキが厚くても、層の質が粗ければ光の反射が弱く、
ぼんやりとした印象になります。

逆に、マキがやや薄くても、層が緻密で整っていれば、
鋭い光沢を持つ美しい真珠になります。

これは前回触れた、光の回折や干渉によるものです。

つまり重要なのは、厚みそのものではなく、
層の質と整い方なのです。


前回触れた「オーバートーン」は、
真珠の表面にふわっと重なって見える色合いのことです。

これは真珠層の重なりによって生まれる光の干渉によるもので、
ピンクやグリーン、ブルーなどの色がうっすらと感じられます。


マキが厚い真珠のメリットは、耐久性が高いことです。

表面の層が酸などで荒れても、クロスなどで軽く磨くことで
表層を整えることができるため、
マキが薄いものと比べると長く使える傾向があります。


例えば、無核のカジュアルな淡水真珠は真珠層が厚く、
普段使いにも向いています。実際、ネックレスにもよく使用されますが、
光の反射はやややわらかく、落ち着いた印象になります。

一方、有核の淡水真珠はアコヤに似せた薄マキの構造ですが、
養殖技術の向上により、テリの良い品も市場に出ています。


■真珠の評価

真珠の評価は、主に以下のような項目で行われます。

・形
・キズ
・色
・マキ(真珠層の厚さ)
・テリ(光沢)
・サイズ
・連相(ネックレスの場合の珠の整い具合)

これら複数の要素のバランスによって、全体の価値が決まります。


■まとめ

真珠の「マキ」は、単なる厚みではなく、
その真珠がどのように育ってきたかを表す要素のひとつです。

厚ければ安心、薄ければ劣る、という単純なものではなく、
照りや層の質とのバランスによって評価が決まります。

作り手としては、見た目の印象だけでなく、
その内側にある構造にも目を向けながら、素材を選んでいきたいところですね。

※「テリ」「マキ」の表記を、一般社団法人 日本真珠振興会の品質評価項目に合わせてカタカナに変更しました。

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