石留めのイロイロ(月曜定期便5)

宝石、あるいは鉱物が好きで、
コレクションしたお気に入りの石を身に着けられるようにしたいと思って
ジュエリー制作を依頼したり、自ら作り始める人も少なくありません。

石枠+リングのスタンダードな形は、今も昔も変わりませんが、
ふくりん留め人気は、過去最高ではないかと思います。

今回は、石留めのイロイロな種類をご覧ください。受講生さんの制作写真を使わせて頂いているものもありますので、転載はご遠慮ください。
特徴についても明記しておきます。

爪留め(2本~複数本)

2点留め
左右の2本の爪で留まっていますが、硬いカット石にしか使えない石留め方法です。
スタイリッシュで一時期人気でした。ダイヤモンドの場合、爪のゆるみが石の回転を促して、爪をすり切ってしまうことがあります。(気づいたら石が無いなんてことも。)

4本爪 
スタンダードな4本爪は、いろいろな石に対応できるオールマイティな石留め方法です。
不規則なカットの石でも、形状に合わせて爪の配置を工夫して留めることができます。

4本爪と共有爪
センターストーンは4本爪、脇石は共有爪で留まっています。
この作りは高度な技術が必要です。
共有爪は、研磨状態の良いカット石に向いています。寸法が揃っていないと爪の掛かりが悪く、石留めが緩みやすいです。

6本爪(画像は立爪)
立爪は、ダイヤモンドの輝きを強く見せるために作られました。V字に切り込んだ部分は照り返しといい、光の反射をより強調させるものです。
近年では立爪は爪が大きくて好まれませんが、ティファニー爪と呼ばれる小さな立爪は、婚約指輪のスタンダードになっています。

爪留めの応用
角の爪は横にすり抜けないように3本の爪で抑えています。

爪留めの応用
デザインの一部としての爪留め。
固定できれば、石は留まります。

爪留めは数に制限はないので、デザインに合うならば3本以上で
バランスを考えて配置することがお勧めです。

ふくりん留め


カット石のふくりん留めは、爪をほぼ90度に倒すため、平らな印象に仕上がります。
石はモース硬度7以上の石がお勧めです。
叩いて爪を倒すので、硬度があっても脆い石には向きません。


カボッションカット石のふくりん留めは、丸みがあり日常使いのリングとして好まれています。
高さを含め、石の面積を広く隠してしまうので、光を取り入れたい石や内包物を楽しみたい石には向いていません。


一見ふくりんのようですが、ワックスで囲むように制作し、パールは接着です。

ふくりん留め風接着留め
ボルダーオパールやカメオなどは、枠を作った後は接着で留められることがほとんどです。
(爪を叩くと石が割れるため)

石がふくりん留めに向かない場合は、接着で留めることも多いです。
ふくりん留めのデメリットとしては、石が外せないのでメンテナンスが出来なくなること。
(石によってはサイズ直しやメッキもできません)

板爪

 
四角の石によく使われます。
デザインによっては、オーバルやペアシェイプ、そしてカボッション石に用いられる場合もあります。

 
ペアシェイプバージョンです。

レール留め 
線路やカーテンレールをイメージしてください。
内側に溝があり、その溝に石をセットして、左右で留めています。
硬い宝石で、カットが揃った石に向いています。

レールや板爪も、石が外せないのでメンテナンスが出来なくなります。
(石によってはサイズ直しやメッキもできません)

そのほかの石留め方法

ナナコ留め
小さな石を留める、シンプルな方法。
少し練習をすれば、マスターしやすいです。
ただし、ナナコが当たると弱い石は割れますので
硬い石向きです。
練習はキュービックジルコニアなどの合成石をお勧めします。

ナナコ留め
エタニティやハーフエタニティ、また、それを応用したデザインのもの。爪をナナコタガネで倒して留めます。
慣れないうちはナナコが石に当たり割ってしまうことが多いので、練習は硬い石で。
不揃いの石を使うと、留める前の石座合わせが大変な作業になります。

埋め込み
リングの表面と同じ高さに石のテーブル面を合わせる(ツライチ)には、ちょっとしたコツがあります。
硬度が高い、ダイヤモンド、サファイヤ・ルビーに向いています。

彫り留め
切りタガネや毛彫りタガネ、そしてナナコを使ってダイヤモンドを留めます。
専門の職人がいるくらい、習得には熟練を要します。

チョコ留め
目の部分をチョコ留めで留めています。
チョコ留めは彫り留めの一種です。

石やデザインによって、留め方を変えると面白いです。
情報量が多くなるので、掲載していませんが、爪には石座がつきものです。
石座をうまく作れるようになれば、爪のアレンジが楽しくなると思います。

また、原石のままジュエリーに加工する場合は、形状を壊さないように工夫が必要です。
作りたい石に合わせた枠作り、そして石留め。
教室でご相談くださいね。^^

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