貴金属の切れ端・削り粉の再利用(月曜定期便57)

貴金属を再利用するときの注意点

― 削り粉・きれっぱしを溶かす前に ―

制作を続けていると、削り粉や小さなきれっぱしが、少しずつたまっていきます。
それらをチョコ皿に入れて溶かし、再利用する。
これは作り手にとって、とても大切な循環です。

でも――
「何でも一緒に溶かせばいい」というわけではありません。

今日は、その注意点をまとめました。

① 鉄を混ぜないこと

いちばん大事なのは、鉄を混入させないこと

・糸ノコの刃の粉
・鉄製ヤスリの粉
・作業台に落ちていた鉄粉

こういったものが混ざると、
溶解時にトラブルが起きたり、
金属がもろくなったりすることがあります。

削り粉を保管する前に、あるいは溶解前に、
軽く磁石を近づけて鉄粉を取り除きます。

② サンドペーパーの「砂」に注意

紙やすりの削り粉には、研磨材(砂と呼んでいる粒・酸化アルミニウムなど)
が含まれています。これらは金属ではありません

溶かす時に不純物となり、泡立ちや荒れ、割れの原因になります。

サンドペーパーで発生した削り粉は、個人で溶解するのは不向きで、
精製の必要があるため、鉄ヤスリ等の削り粉とは分けて保管するのが理想です。
個人で精製に出すのは取引上難しい(キロ単位)ので、教室では指定のバケツに
紙ヤスリの切れ端も一緒に棄てて頂いています。

③ ろう材が混ざるとどうなる?

ロウ付け後の切れ端には、ろう材が含まれています。

ろう材は本体の地金とは配合が違います。
(流れやすくするため、融点を下げる成分が入っています)

そのため、

・思ったより融点が下がる
・硬さや色味が微妙に変わる

といったことが起こります。

微量なら大きな問題にならないこともあるかもしれませんが、大量に混ざると性質が変わります。

④ 異なる地金は分けて保管

当然のことのようで、意外と混ざりやすいのがここ。

・SV925/950/純銀
・K18/K10
・真鍮

色が似ていても、まったく別の金属です。
混ぜて融かせば、もう元の品位には戻せません。

保管容器は、素材別・品位別に分けるのがおすすめです。

再利用するときは
「これは何の金属か?」を意識することが大切です。
ラベルを貼るだけでも、トラブルはぐっと減ります。

⑤ 保管の基本

削り粉は、とても軽く、失いやすいものです。

・フタ付きの容器を使う
・作業机の近くに専用容器を置く
・定期的に整理する

そして何より、「あとで分けよう」は危険です。
混ざったものを分別するのは、とても大変です。

再利用は“管理”から始まる

貴金属の再利用は、単に「融かす」ことではありません。

それは、素材を理解し、管理することでもあります。

きちんと分けて保管しておけば、再利用した地金も、安心して作品に使えます。

地金は資産でもあります。だからこそ、日々の扱いがとても大切。

教室では、実際の溶解方法やトラブル事例も含めてお伝えしていますが、

まずは今日からできることとして、
「混ぜない」「分ける」「管理する」を意識してみてくださいね。

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