ものづくりを続けていると、「どんな作品をつくるか」だけでなく、「どう見せるか」「どう伝えるか」という視点がとても大切になってきます。
とくにイベント出展や新作発表のタイミングでは、企画の段階で少しだけ視野を広げておくことで、作品の魅力がぐっと伝わりやすくなります。
今回は、商品企画やイベント企画を行うときに意識したいポイントを、いくつかまとめてみました。
1.まずは “自分の興味” を丁寧に掘り下げる
企画の出発点は、やはり「自分が心から好きだと思えるもの」。
好きな色、季節感、いま気になっている素材やモチーフ……。
その“好き”をもう一歩だけ深く掘り下げていくと、作品にストーリーが生まれます。
そのうえで、「この魅力をどうしたら効果的に伝えられるか?」を考えると、企画は自然と形になっていきます。
2.客層や会場との相性を考える
イベントの場合は、お客さまの層や会場の立地も大事なヒントになります。
年齢層や好まれやすいテイスト
会場周辺の雰囲気(落ち着いた街か、若い人が多い街か)
金額感の傾向
他の出展者とのバランス
「ここに来る人なら、どんなジュエリーを手に取るだろう?」と想像してみると、作品の方向性がより具体的になります。
3.価格帯と“アイキャッチ”の存在
企画の段階で、おおまかな価格帯を決めておくのもポイントです。
また、イベントなら “アイキャッチ(目を引く主役ピース)” をひとつ用意しておくと、立ち止まってもらえるきっかけが増えます。
写真映えする1点
シリーズの世界観を象徴する作品
少し大ぶりで、遠くからでも見えるもの
こうした「最初の一目」を意識すると、展示全体がまとまりやすくなります。
4.用途を設定すると企画がぐっと組み立てやすい
意外と忘れがちですが、“どんなシーンで使うジュエリーなのか” を考えることも大切です。
毎日つけられる軽やかなもの
特別な日に映える華やかなもの
ギフト向けに選ばれやすいもの
用途が決まると、サイズ感や素材選び、価格設定までスムーズにつながります。
5.素材の入手性と、制作の現実性
企画段階ではつい夢が広がりますが、「本当に作れるか?」という現実的な視点も忘れずに。
安定して手に入る素材か
一度にどれくらい作れるか
追加制作が必要になった時に対応できるか
イベントやオンライン販売では、再制作のしやすさも企画の一部になります。
6.シリーズ構成で“世界観の伝わりやすさ”を高める
指輪だけ、ピアスだけ……という単品構成より、シリーズ展開があると世界観が伝わりやすいです。
ペンダント・ピアス・指輪の3点展開
色違い、素材違い
価格帯のバリエーション
お客さまが「選べる」状態になると、イベントでも足が止まりやすくなりますね。
7.イベントなら“場づくり”までが企画
商品企画と合わせて、イベントでは「見え方」を企画することも大切です。
立ち止まりやすい導線
作品がまとまって見えるディスプレイ
写真を撮りたくなる見せ方
価格表示のわかりやすさ
お客さまの滞在時間が伸びるほど、作品の魅力も伝わりやすくなります。
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商品企画やイベント企画は、作品づくりとはまた違う楽しさがあります。
自分の“好き”をどう伝えるか。
お客さまがどんなふうに作品と出会うのか。
その視点を少し意識するだけで、展示や新作発表がぐっと実りあるものになります。
自分の作品が増えたら、商品を並べて見直してみましょう。^^
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