紙の上に描かれた線。
たった一本の線から、立体的なジュエリーを想像することはできるでしょうか。
私たちが普段目にしているジュエリーは、厚みがあり、光を反射し、さまざまな方向から眺めることができる立体物です。
一方、デザイン画を描く紙は平面です。
さあ、平面の上に、どうすれば立体を表現できるのでしょう。
今回は、ジュエリーのデザイン画を通して、平面と立体の関係について考えてみましょう。
1.線に厚みを加えてみる
点が集まれば線になり、線が集まれば面になります。
例えば、指輪を描いてみましょう。まずは、指輪の輪郭を線で描きます。
これだけでも、指輪の形を表現することはできます。けれども、実際の指輪には厚みがあります。
描いた線に側面を描き加えると、金属の厚みが見えてきます。
さらに、角度や形状を意識して線を加えることで、少しずつ立体的な姿が見えてきます。
平面の上に描かれた線が、立体を伝える線に変わっていくのです。
デザイン画では、見えている形を描くだけでなく、見えない部分の形や厚みを想像することも大切です。
2.影と色で素材を表現する
立体感を表現するために、もうひとつ大切なのが「光と影」です。
同じ形でも、光が当たる部分と影になる部分では、見え方が違います。
例えば、金属の表面に明るい部分と暗い部分を描き分けると、平面的な図形が金属らしい質感を持ち始めます。
宝石も同じです。
宝石の色を一色で塗るだけでは、平面的に見えてしまうことがあります。
明るい部分、色が濃く見える部分、影になる部分などを観察し、色鉛筆で濃淡を描き分けることで、石の形や奥行きを表現することができます。
金属と宝石では光の反射の仕方が違います。
その違いを観察し、線や色、影を使って描き分けることも、デザイン画の面白さのひとつです。
3.ジュエリーのデザイン画は、絵を描くだけではない
ジュエリーのデザイン画というと、美しいジュエリーの絵を描くことを想像する方も多いかもしれません。
もちろん、完成したジュエリーを美しく表現することも大切です。
けれども、もうひとつ重要な役割があります。
それは、頭の中にある形を、実際に制作できる形へと整理していくことです。
ジュエリーは、正面から見た形だけでできているわけではありません。
横から見たときの厚み、裏側の構造、石を留める部分の形状など、
さまざまな要素が組み合わさって、ひとつの作品になります。
正面から見たデザインが美しくても、横から見ると厚みが足りなかったり、
石を留めるための構造が考えられていなかったりすれば、制作することはできません。
そこで役に立つのが、複数の方向から形を捉える「4面図」です。
正面、側面、上面、背面、そして立体図など、必要な方向から形を描き、立体の構造を確認していきます。
さまざまな方向から考えることで、見た目のデザインだけでなく、実際に作るための設計的な視点も身につけていくことができます。
※4面図でどの方向を描くかは、作品の形や設計の目的によって変わります。
特に、設計に特化するならば、作りが解りやすいように図面も工夫します。
4.描くことで、見えてくるもの
ジュエリーを作るとき、私たちは素材を手に取り、さまざまな方向から眺め、形を考えます。
宝石の大きさや厚み、実際に指に乗せた時どのくらいの高さがひつようなのか。
デザイン画を描くことも、それとよく似ています。
線を描き、厚みを考え、光と影を加え、色を重ねる。
そうした作業を通して、形や素材の特徴を観察する力も育っていきます。

最初から立体感のある絵を描けなくても大丈夫です。
まずは、形をよく見ること。
そして、どこに光が当たり、どこに影ができるのかを考えてみること。
少しずつ描き方を身につけていくと、普段目にしているジュエリーも、これまでとは違った視点で見えてくるかもしれません。
5.宝石の色鉛筆着彩を体験してみませんか?
今回、11/8(日)のデザインの講座では、宝石の色鉛筆着彩体験に取り組んでいただきます。
宝石の形を観察し、色を選び、濃淡をつけながら、平面の紙の上に立体感を表現してみましょう。
色鉛筆という身近な画材を使って、宝石の色や輝きを描く楽しさを体験していただけます。
ジュエリーデザインに興味のある方はもちろん、絵を描くことが好きな方、宝石が好きな方にもおすすめです。
平面の中に立体が見えてくる楽しさを、ぜひ体験してみてください。
11/8(日) デザイン① 10:40~13:40 講師:宮本奈津子先生
受講料:メンバーは1チケット ビジターは体験日特価です¥2,750
デザイン用具貸出。ご予約受付中です。
デザインに関する過去記事もどうぞ
ジュエリーデザインをまとめる方法(月曜定期便9)
ジュエリーデザインの入口(月曜定期便43)