―「石を見る視点」が違う学問―
「鉱物学」と「宝石学」は、どちらも石を扱う学問ですが、
石を見る目的と立場が少し違います。
簡単に言うと、
鉱物学:地球の一部として石を見る
宝石学:装身具として石を見る
そんな違いがあります。
鉱物学とは?
鉱物学は、地球科学(理科)の分野です。
岩石や鉱物が
どんな成分でできているのか
どんな環境で生まれたのか
結晶の形や構造はどうなっているか
といったことを調べます。
たとえば「水晶」を見るときも、
二酸化ケイ素(SiO₂)でできている
高温の地下で結晶化した
六角柱の結晶構造をもつ
といったように、自然現象としての性質に注目します。
割れていても、濁っていても、
「それがどうしてそうなったのか」が大切なのが鉱物学です。
宝石学とは?
宝石学は、宝石として石を正しく扱うために発展した学問です。
特に、人の手によってつくられた合成宝石や人造石と、
天然の宝石を見分ける必要が生じたことから、学問として体系化されました。
たとえば、
パッと見、わかりにくいものの代表として合成ルビーや、養殖真珠などがあります。
琥珀とプラスチック、張り合わせの宝石も見分けが難しいです。
これらは見た目がとてもよく似ていて分かりにくいので、正しい知識と見る経験が必要になります。
また、宝石と呼ばれる石であっても、すべてが同じ品質で扱われるわけではありません。
透明度や色、耐久性が高く、ジュエリーとして安心して使えるもの
少し傷が多かったり、色むらがあったりするもの
さらに、形や大きさをそろえて、ビーズとして使われるものもあります。
根本的なところは鉱物学が必要で、
より深くなると「見分け」つまり違いを見つけることを宝石学で学び、
それを装身具に生かします。
同じ石でも、見方が違う
鉱物学と宝石学の面白いところは、
同じ石でも評価の基準が違うことです。
たとえば、
鉱物学では貴重な研究対象でも
宝石学ではジュエリーに向かない
ということもありますし、その逆もあります。
つまり、
鉱物学:石そのものを理解するための学問
宝石学:石を美しく、安全に使うための学問
と考えると分かりやすいでしょう。
ジュエリーに関わる人、ジュエリー制作や販売に関わる人は、
宝石学が実用の中心になります。
ただし、鉱物学の知識があると、
石の個性を理解できる
なぜ割れやすいのかが分かる
自然が生んだ背景まで伝えられる
といった、より深い見方ができるようになります。
これらの違いを知ったあとで、
価値の見極め方を学ぶ方向へと進んでいくと、より理解が深まることでしょう。
とにかく広範囲な学問なので、宝石のことが知りたいと思ったら、
手近な本から読み始めてみてください。
その時、石の「効能」といわれるものから始めると
それはまた違った分野へ行ってしまいますのでご注意を。^^
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