ジュエリーデザインの入口(月曜定期便43)

手を動かすと“見る目”が変わる——ジュエリーデザインの入口

ジュエリーを作ってみたいと思っても、
「デザインができない」「絵が苦手」と感じて一歩を踏み出せない方は多いものです。

でも、デザインの基本は“上手に描くこと”ではありません。
手を動かして、ものをよく見ること。
その小さな積み重ねが、少しずつ「デザインの目」を育ててくれます。

■ジュエリーデザインは「形を見る力」から

たとえば、身近な指輪をひとつ観察してみましょう。
輪の厚みはどうなっているでしょう?
表面は丸みを帯びていますか?それとも平ら?
石が留まっている場合は、爪の数や角度も見てみます。

普段は意識しない細部にも、デザインのヒントがたくさん隠れています。
観察するうちに、「この形は指にどう沿っているのだろう」「この厚みだと重さはどうかな」など、
“作る目線”が自然と育っていくのです。

■「描くこと」は“考えること”

スケッチをするときは、いきなり美しい絵を描こうとしなくて大丈夫。
大切なのは、“形を理解するために描く”という意識です。

たとえば、

指輪の輪郭を一筆で描いてみる

ペンダントトップを真上と横から描いてみる

石の形(オーバル・マーキス・スクエアなど)を描き分けてみる

ラフスケッチは線が曲がっていても問題ありません。
描くことで「この曲線はどこで始まり、どこで終わっているのか」
「立体の中でこの面はどのくらい傾いているのか」が見えてきます。

ジュエリーデザインのスケッチは、手で考える作業なのです。

■観察からデザインへ——形を少し変えてみる

観察とスケッチに慣れてきたら、ほんの少し形を変えてみましょう。
たとえば、観察した指輪のアームを細くしてみる、
石を違う形に変えてみる、
金属部分に模様を入れてみる——そんな小さな変化で構いません。

「もしこの部分を丸くしたら、柔らかい印象になりそう」
「真っ直ぐにしたらシャープでモダンかも」
そんな想像の広がりが、デザインの芽になります。

■素材を“見る”練習もデザインの一部

金属や石も、観察の対象としてとても面白い存在です。

シルバーは光を柔らかく反射し、
真鍮は少し赤みを帯びてあたたかく、
石は光の角度で印象を変えます。

こうした質感の違いを見比べることは、
「どんな素材を使うと、どんな印象になるか」を学ぶ絶好の練習。
素材そのものを“観察のモチーフ”にしてみてください。

■毎日じゃなくてもいい、「観察メモ」から始めよう

スケッチブックを持つのが難しいときは、
スマートフォンのメモに「今日の発見」を一言書くだけでも十分です。

「雨の日の銀の輝きがやさしい」
「古い指輪のカーブが手に馴染む形をしていた」
「ガラス越しの石が、水の中みたいに見えた」

そんな小さな気づきが、後のアイデアの種になります。

■デザインは、観察から生まれる

手を動かして描くこと。
素材を見つめて考えること。

そのどちらも、ジュエリーを“つくる”ための大切な準備です。
上手に描けなくても
見て、触って、感じたことを少しずつ形にしていくうちに、
あなたの中の「デザインの目」は確かに育っていきます。

手を動かすと、“見る目”が変わります。
そしてその目が育つと、日常の中にもデザインのヒントが見えてくるのです。

ジュエリーデザインをまとめる方法(月曜定期便9)も参考にどうぞ
https://www.craftroom.jp/2025/03/03/mon9/

こちらもどうぞ。

コメント

この記事へのコメントはありません。

受講・体験・見学のご予約

①下記のカレンダーからのご連絡(即時予約となります。リクルートIDの連携で、入力が省けます。)

ウィジェットが見づらい場合→こちらをブックマークしてご利用ください。

②SNSからのご連絡(24時間受信は可能です。23時以降は翌朝お返事致します。)

③メールでのご連絡(確認に少しお時間がかかります。)

④お電話でのご連絡(休講日や講座中出られない場合もございます。)