さて、今週の日曜日は技能検定の学科試験が行われます。
せっかくなので労働安全衛生法の貴金属加工に関連する内容をまとめてみました。
ジュエリー制作をしていると、私たちは普段から火や薬品、研磨粉など、ちょっと気をつけないと危ないものに囲まれています。そこで関わってくるのが「労働安全衛生法」という法律です。
名前は難しく聞こえますが、かんたんに言えば 「作業する人がケガや病気にならないように、国が決めた安全のルール」 です。大きな工場だけでなく、私たちのような小さな工房や教室にも関係があります。
ジュエリー制作と関わりの深いポイント
薬品(メッキ液や酸) … 吸い込んだり肌につくと危険。換気や手袋が必要です。
粉じん(金属粉や研磨粉) … 吸い込むと体に悪影響。マスクや集じん機が役立ちます。
火気(バーナーやガス) … 酸欠や一酸化炭素中毒の危険があるので、換気や警報器が大切。
機械(研磨機やプレス機) … 指を挟んだりケガにつながるので、安全カバーや正しい使い方を守ります。
健康診断や教育 … 有機溶剤などを扱う場合は、健康診断や安全教育が必要とされています。
なぜ大事なの?
作品づくりを楽しく続けるために、自分の体を守ることが第一です。加えて、教室や工房が安心できる場所であるためにも、安全のルールを知っておくことはとても大切です。
労働安全衛生法というと難しい印象ですが、実際は「換気しましょう」「防具をつけましょう」「正しい方法で作業しましょう」という、とてもシンプルな内容です。
つまり、安全を守ることが、ジュエリー制作を長く楽しむための基礎なんですね。
教室では、
「ガス使用時は換気扇を回す」「バフの集塵機のスイッチを入れる」「研磨材を使う時はマスク推奨(入口で販売しています)」そしてガスを使用する際の手順説明を行っています。
使用している「希硫酸」は危険性の低いピックリングコンパウンドを利用していますが、
ジュっとつけるときには軽くガスが発生していますので直接吸い込まないようにしましょう。
自宅で制作をする方も、安全に留意しましょう。
念のためチェックリストを掲載します。
小規模工房向け 労安法チェックリスト(貴金属加工)
- 化学物質(メッキ・溶剤・酸類)
使う薬品に SDS(安全データシート) をもらって保管している
薬品容器には ラベル表示(内容物・危険有害性) がある
換気扇や 局所排気装置 を設置している
有機溶剤(トルエン等)を使うなら → 有機溶剤健診
シアン化合物や硫酸など特化物を扱うなら → 特化則対応・健診 - 研磨・粉じん
金属粉・研磨粉が飛散しないように 集じん機 を使っている
防じんマスクやゴーグルを備えている
粉じん作業が多いなら → 粉じん則による測定や健診 - 火気(ロウ付け・溶接・バーナー)
換気を十分に確保している
ガスボンベ・バーナーは 転倒防止・保管区分 を守っている
一酸化炭素警報器を設置している(狭い工房なら推奨)
酸素欠乏や中毒の危険がある作業 → 酸欠則の対応 - 機械設備(プレス・研削機)
プレス機を使うなら → 定期自主検査(年1回)
グラインダーの砥石交換は → 特別教育を受けた人 が実施
保護カバーや非常停止スイッチを設置している - 健康診断と教育
定期健康診断を受けている(事業規模によるが推奨)
特殊健診(有機溶剤・特化物・粉じん・鉛など)は該当作業があれば受診
従事者(自分自身含む)に対して 安全衛生教育 を実施
「薬品管理」+「換気・排気」+「粉じん対策」+「火気管理」+「機械の安全」
この5つが小規模工房でも押さえておきたいポイントです。
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