海の日に寄せて ー 海が育む宝石たち(月曜定期便28)


本日、7月21日は「海の日」ですね。
この祝日は、海に囲まれた日本ならではの記念日として親しまれています。
そんな「海」から生まれる宝石たちを、あなたはいくつ知っていますか?

自然の恵みである海は、実は多くの宝石を育てています。
中でも、命あるものが生み出す宝石には、独特のあたたかさと奥深さが感じられます。

真珠 ― 海のしずく、永遠の輝き
真珠は、貝の体内でゆっくりと育まれる宝石です。
養殖の技術が発達した現代でも、その生産には時間と手間がかかり、自然の営みなくしては生まれません。

日本で代表的な宝石、アコヤ真珠
小粒で照りが強く、多くの人に愛されています。
一方、タヒチ産の黒蝶真珠や、オーストラリア産の白蝶真珠などは、大粒で存在感があり、カジュアルな装いにも映える人気の宝石です。

その柔らかな光沢(オリエント効果)と、肌なじみの良さが、真珠の大きな魅力。
年齢やスタイルを問わず、長く寄り添ってくれる宝石です。

宝石珊瑚 ― 命を刻む宝石
珊瑚もまた、海に生きるサンゴ虫の骨格からつくられる、命ある宝石です。
赤やピンク、白など、どこか温かみを感じる色合いが特徴で、古くから「魔除け」や「お守り」としても重宝されてきました。

日本では、高知県沖や奄美大島など深海で育つ赤珊瑚が特に知られています。
特に「血赤珊瑚」は有名ですね。
1年で0.2~0.3mm程度、ゆっくりと育つため、非常に希少で高価です。

手作業による彫刻や研磨にも向いており、地中海産の紅珊瑚はアンティークジュエリーにも多く見られます。

べっ甲 ― 伝統を今に伝える素材
べっ甲は、ウミガメの「タイマイ」の甲羅から作られる、天然素材です。
日本では江戸時代から伝統工芸として親しまれており、「鼈甲細工」は髪飾りや帯留めなどに使われてきました。

滑らかな手触りと、独特の褐色の模様が魅力で、現代でもファンの多い素材です。
今はワシントン条約によって原料の取引が規制されており、サステナブルな素材や代替品も注目されています。

アバロンシェル ― 海の虹色を映す貝
アバロンシェルは、アワビの貝殻の内側に見られる虹色の輝きが特徴です。
光の角度によって、青、緑、ピンクなどさまざまな色を浮かべます。

日本をはじめ、ニュージーランドやメキシコなどで採取され、アクセサリーや象嵌細工にもよく用いられています。
天然の色合いはひとつひとつ異なり、小さな欠片でも存在感があります。
真珠も稀に採取されます。

番外編:琥珀 ― 海が運ぶ、太古の記憶
琥珀は樹脂の化石ですが、波に打ち上げられることも多く、「海の宝石」として扱われることもあります。
とくにバルト海沿岸では、海岸に打ち寄せられる琥珀を採取します。

軽くて暖かみのある色調、そして時には虫や植物を内包した個体も見られ、自然のロマンを感じさせてくれます。


海の宝石たちは、鉱物とは異なり、「命」が関わる素材が多いことが特徴です。
真珠も珊瑚も、育て、削り、磨きながら、人の手で美しく整えていく――
その工程には、自然との共生が求められます。

大量に作れないからこそ、一つひとつが特別。
ジュエリーとして身に着けるとき、自然とつながっているような、優しい気持ちにしてくれる海の宝石たち。
海の日に、こうした「海からの贈りもの」に目を向けてみるのも素敵な時間です。

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