ジュエリーに彫りを入れる(月曜定期便20)

ジュエリーに彫りを入れる方法は、色々あります。

代表的なものとして、以下の3つを例として挙げます。

和彫り洋彫り(インチジオーネ、ハワイアン)
彫金の技法やデザイン、使う道具や文化的背景が異なります。

  1. 和彫り(わぼり)

    起源・背景
    日本の伝統的な彫金技法。刀や彫刻刀のような専用の彫り具(彫りタガネ)を使い、手彫りで彫ることが多い。武具や刀の装飾から発展し、仏具やジュエリーにも用いられるようになった。

特徴
細かく繊細な彫りができる。
浮き彫りや陰影を使い、陰影で立体感を出す。
波、龍、花、和柄(麻の葉、桜など)が多い。
彫り跡が細かくシャープで硬質な印象。
一気に線を彫り進めることが多い。

道具
彫刻刀のような和彫り専用の彫具:彫り鏨(タガネ)
彫り手の技術が非常に重要。

  1. 洋彫り(インチジオーネ)

    起源・背景
    ヨーロッパ発祥の彫金技術。イタリア語の「incisione(インチジオーネ)」は「刻む」「切り込む」という意味。欧州のジュエリーや時計の装飾に使われる。

特徴
線を細かく刻む彫り方。曲線や植物モチーフが多い。
影やグラデーションを彫りで表現しやすい。
緻密で流れるような曲線や螺旋が特徴。
ペン先のような細い工具を使い、深さや線幅を調整しながら彫る。

道具
彫刻刀に似た彫り具で、洋彫りタガネを使用。
彫り面が滑らかで繊細な仕上がり。

  1. 洋彫り(ハワイアン彫り)

    起源・背景
    ハワイ伝統の彫金。19世紀末から20世紀にかけてハワイアンジュエリーとして発展。
    ハワイの自然や文化に由来するデザインが特徴。

特徴
大きな葉っぱ(モンステラ、スクロール)、波、亀などの自然モチーフ。
浮き彫り(レリーフ)で表現し、立体感と流動感がある。
曲線が多く、柔らかく優しい印象。
彫りは深めで、耐久性も考慮されている。

道具
彫刻刀(タガネ)を使うが、和彫りよりもやや深く彫る。
手彫りが基本(洋彫りタガネ)だが、機械彫り(グレーバー)も。

まとめ

特徴和彫り 洋彫り(インチジオーネ)洋彫り(ハワイアン)
起源日本伝統 ヨーロッパ(イタリアなど)ハワイ伝統
デザイン 和柄
(波、龍、桜など)
植物・曲線的モチーフ自然モチーフ
(波、葉、亀など)
彫り方 線が細かくシャープ線が細かく滑らか
流れるような曲線
浮き彫りで立体感
深彫り多い
道具彫刻刀(彫りタガネ)
オタフク鎚
洋彫りタガネ
手彫り
グレーバー(機械)
グレーバー用タガネ
洋彫りタガネ
雰囲気硬質で繊細繊細で滑らか柔らかく温かみがある

ざっくりとした内容ですが、こんな感じです。

それぞれの特徴も、道具を扱う本人の力加減や練習量で変わります。
まずは体験して、どの彫り方が自分に合っているのかを探るところから始めてみましょう。
成果は本人の練習と研究が大きくものを言うのではないかと思います。


ハワイアンエングレービングのセミナー開催

2025年7月20日(日)予定

ハワイ在住歴30年以上
現地有名ハワイアンジュエリーメーカー数社で
長年エングレーバーとして活躍される高橋浩一郎氏と、
洋彫りクラスを担当する三村紀人先生の
合同ハワイアンエングレービングのセミナー開催します。
お二人は現地ハワイアンジュエリーメーカーで元同僚と言うこともあり、
今回、高橋氏の来日に合わせて実現しました。

現在もハワイで活躍されるエングレーバー高橋氏から直接学べる特別な機会となります。
詳細は、6月に改めてお知らせいたします。

高橋 浩一郎氏

1965 東京生まれ 
1992 ハワイ移住
1997〜1999 ハワイの老舗ブランド、ロイヤルハワイアンヘリテージでエングレービングの基礎を学ぶ2000〜2002 日本一時帰国 ネイティブアメリカンジュエリー制作に携わる
2002〜2016 ハワイに戻りフィリップリカードでエングレーバーとして従事
2013 個人のハワイアンエングレービング教室設立
2016〜現在 ロイヤルハワイアンヘリテージでエングレーバーとして従事

https://www.instagram.com/kcrtakahashi

https://youtube.com/@koichirotakahashihawaii





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