1.「からげ」るとは?
紐などで縛って束ねること。
貴金属加工では、金属のパーツ同士を固定するために、線材を巻き付ける方法を指し、その線材のことを「からげ線」と呼びます。
ロウ付けでは、加熱中にパーツが動いてしまわないように、あらかじめ位置を決めて固定できるようにします。
ピンセットで固定できない時に、手段のひとつとして、からげ線を利用します。
2.ロウ付けで使うからげ線
- どんなときに使うのか
教室では主にろう付けの時。
手がピンセットでふさがるとガスの操作に困ったり、パーツの固定が難しい時に使います。 - どのように巻き付けるのか
鉄材を使用するので、ろう付けに巻き込まないように距離をおいて、力を加えたい部分に的確に圧がかかるような縛り方をします。教室で講師がからげる時に、観察してみてください。 - 線材の太さや材質をどう選ぶか
火力に負けない素材、太すぎると熱を吸収してしまうので、焼き切らない程度の太さも必要です。 - 固定するときに気をつけること
太すぎたり、何重にも巻き付けたりすると、からげ線自体を加熱するために熱が使われ、接合部分が温まりにくくなることがあります。
- 加熱時に注意したいこと
パーツを固定する場合は、動かしたくない方向を考え、必要に応じて対角に巻き付けると安定しやすくなります。
熱の周り方に注意し、からげ線で邪魔をしないように気を付けます。
また、からげ線だけですべてのパーツを固定できるわけではなく、形状や接合箇所によっては、ピンセットや耐火材などを併用することも大切です。
3.ロウ付け以外での使い方
- パーツの仮固定や位置決め
- 石や装飾パーツを扱う際の補助的な固定
- 制作途中にパーツが動かないようにする工夫
用途によって、線材や固定方法は様々です。
手持ちの材料や工具で何とかできることはしたいですよね。
4.鉄製のからげ線と酸洗い
からげ線は、ロウ付けの際にパーツが動かないように固定するために使います。
当教室では、鉄製の線材(市販品0.3~0.35mm)を使用しています。
ここで気をつけたいのが、ロウ付け後の酸洗いです。
過去記事にも書きましたが、鉄は希硫酸と反応するため、鉄製のからげ線を付けたまま酸洗い液に浸けないようにしましょう。
ロウ付けが終わったら水で冷まして、からげ線を取り外してから改めて酸洗いを行います。
普段何気なく行っている作業にも、材料の性質を知っておくことで防げるトラブルがあります。
道具や補助材料についても、それぞれの特徴を理解して、安全に制作を進めましょう。