“つけっぱなしOK”の落とし穴?ジュエリーを長く楽しむために知っておきたいこと
- つけっぱなしジュエリー、実は危ない?
最近、「つけっぱなしOK」とうたわれたジュエリーを見かけることが増えてきました。
シャワーや睡眠中も外さなくてよい、というのは確かに便利そうです。
けれど、ジュエリーの制作者・販売者の立場から見ると、「ちょっと待って」と
声をかけたくなることもあります。
ジュエリーには、外してあげたほうが良いタイミングや場面があるのです。
「つけっぱなし」のリスクと、安全に長くジュエリーを楽しむためのヒントをご紹介します。
- 素材によっては劣化・変形のリスクも
ジュエリーは美しい反面、デリケートな一面もあります。
シルバーや真鍮などの金属は空気中の成分や汗と反応して変色します。
真珠・トルコ石・エメラルドなどの天然石は、水分や熱、化粧品に弱く、
つけたままの入浴や就寝でダメージを受けやすいのです。
特に指輪は、何かにぶつかったり、圧がかかることで変形や石外れの原因にも。
一見問題がなさそうでも、じわじわと傷んでいくのがジュエリーの怖いところです。
- 肌トラブルや破損の原因に
つけっぱなしで起きるのは、ジュエリー側のトラブルだけではありません。
長時間つけっぱなしにしていると、
肌と金属の摩擦によるかぶれやかゆみ
ピアスホールの炎症や膿み
細菌の繁殖による衛生面の問題
など、肌トラブルのリスクも高まります。
特に夏場や運動後など、汗をかく時期には注意が必要です。
- 「つけっぱなしOK」は本当?販売者としての視点
最近は、「シャワーも温泉もOK」「ずっとつけっぱなしで大丈夫」といった表現が使われることもあります。
たしかに、18金やプラチナなど耐久性の高い素材で、シンプルな作りのものなら比較的リスクは少ないかもしれません。
でも、「本当にどんな場面でも大丈夫?」と考えると、答えはNOです。
温泉に含まれる硫黄成分は金属を変色させます。
塩素系洗剤との接触は、ロウ付け部分の劣化にもつながります。
寝ている間にピアスやネックレスが変形した、という話も実際にあります。
これらを踏まえたうえで、「つけっぱなしOK」と表示するのなら、
素材・使用条件をきちんと明示する責任があります。
- PL法と注意喚起の重要性
私たち制作者・販売者は、作品の美しさだけでなく、「安全性」と「正しい使い方」についても伝える責任があります。
これは、製造物責任法(PL法)にも関わる重要なこと。
例えば、もしお客様が「つけっぱなしOK」と信じて使用し
破損やケガにつながった場合、「説明不足」とみなされる可能性もゼロではありません。
だからこそ、販売時には
使用環境に関する注意書き、お手入れ方法や保管のアドバイスを
添えることが大切なのです。
- ジュエリーもお休みが必要。正しい使い方とケア方法
お気に入りのジュエリーだからこそ、毎日つけていたい気持ちはよくわかります。
でも、人に休息が必要なように、ジュエリーにも休ませる時間が必要です。
日々のちょっとした習慣で、ジュエリーはぐんと長持ちします。
帰宅後は外して専用トレイへ
お風呂・就寝中は基本的に外す
時々、やさしくクロスで拭いてあげる
こうしたひと手間が、あなたのジュエリーをずっと輝かせてくれるのです。
- 大切なジュエリーを守る、あなたのひと工夫
ジュエリーは、身につける人の人生の一部になります。
だからこそ、「ずっと美しく、安心して使えること」が本当に大切。
流行やキャッチコピーに惑わされず、
素材や使い方に合わせた“正しいつきあい方”を知っておくことで、
ジュエリーはもっと永く、時間を共にできる存在になります。
そのものもさることながら、修理にかかる費用も決して安くはありません。
長く美しく使うために、ちょっとした心がけを忘れずに。
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