シェルカメオとジュエリー制作(月曜定期便19)


「シェルカメオ」、お好きな方も多いのではないでしょうか。
今回はカメオの中でも「シェルカメオ」に焦点をあててみました。^^

※「カメオ」とは、宝石や貝殻などに浮き彫りされた装飾品のことを言います。

◆カメオに用いられる貝の種類

サルドニクス(カブトガイ)
 白と濃い赤茶のコントラストが特徴。カリブ海沿岸が主な産地です。
 チョコレート色のベースにきめの細かい白色の中間層が特徴です。

コルネリアン(マンボウガイ)
主に東アフリカの海岸 熱帯太平洋からインド洋まで広がり、日本の南西諸島近海にも生息しているそうです
肌色〜オレンジ色のグラデーションが美しく、なめらかな質感。

コンクシェル
淡いピンク色で、「彫り出す」というよりは「浮き上がらせる」スタイル。
バハマやカリブ海産。

これらの貝は、それぞれ異なる層構造と硬度を持つため、彫り方や仕立てにも影響を与えます。


シェルカメオ制作の道具たち
実際にカメオ作家さんが使っているものを撮影させていただきました。

太めの刃先は、地層の大まかな切り出しに。
細い刃先は、髪の毛や花びらなどの細部彫刻に。
仕上げ用には磨きブラシや柔らかい布も使います
このような工具類を用いて、彫り師は丁寧に色の層を削り分け、図柄を浮かび上がらせていきます。

実演の様子
以前、お仕事でご一緒し、
撮らせていただきました。

貝を固定し、ルーペや作業灯を駆使して、
彫刻には数時間から数十時間を要し、集中力と経験が問われる工程です。
一度はやっていみたいですよね。
私もなかなか実現できていません。

◆ジュエリー制作の際の注意点◆
シェルカメオをジュエリーへと仕立てる際には、以下のような点に注意が必要です。

  1. カメオの厚みと裏面の曲面
    シェルカメオは、貝が反っているので、裏側の形状に気を付ける必要があります。
    石座にうまくフィットできないと割れやすくなります。
  2. 素材の脆さへの配慮
    シェルは天然素材のため、硬度が低く割れやすい特性があります。
    ロウ付け作業の熱は厳禁。爪留め場合には圧力にも十分注意が必要です。
  3. デザインの方向性を確認
    「向き」や「傾き」は作品の印象を大きく左右します。
    着けた際の向きとのバランスを見て、方向を決定しましょう。
  4. 枠との相性
    オーバル型のカメオは、額縁のようなデザインと相性が良いとされています。
    クラシックな縁取りだけでなく、現代的なセッティングにする場合は、
    逆に「余白」を活かしたデザインもおすすめです。


カメオ制作は、まさに“彫刻の芸術”。
制作者は、ただ「カメオを枠に留める」だけでなく、
その背景や素材の性質を理解し、カメオのデザインを生かした素敵な作品づくりが出来そうです。

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